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座談会
育休取得・子育てのための在宅勤務 経験者

座談会

育児と仕事の両立は、誰にとっても簡単ではありません。特に男性が育児休暇を取ることに、まだ迷いや不安を感じる人が多いのも現実です。この座談会では、実際に育休を取得した社員が、そのきっかけやタイミング、良かった点・苦労した点、職場の反応について語り合いました。また、育休以外での工夫や、これから家庭と仕事の両立を目指す方へのメッセージも紹介しています。
体験に基づいた声が、これからの一歩を後押ししてくれるはずです。

TTさん 本社 事務センター
TTさん本社 事務センター2021年(令和3年)
入社
YNさん 企画情報室
YNさん本社 企画情報室2014年(平成26年)
入社
FTさん 福岡支社
FTさん福岡支社 技術部2013年(平成25年)
入社
NSさん 技術1部
NSさん本社 技術1部1998年(平成10年)
入社
TRさん 東北支店
TRさん東北支店 技術部2024年(令和6年)
入社

育児休暇を取得したタイミングとそのきっかけ

TTさん 事務センターTTさん

1つ目のテーマとして、育児休暇をどのタイミングでどのくらいの期間を取ったかと、育児休暇を取ろうと思ったきっかけをお聞かせください。特に男性の方は育児休暇って全国的には少しずつ増えてはいますが、世間的には育児休暇を取る割合はまだ少ないのかなと思っていますので、そのあたりも含めてお話しいただきたいと思います。では先ず、YNさんからお願いします。

YNさん 企画情報室YNさん

私は3歳と1歳半の子どもがいまして、それぞれの出産時に1年ずつ育児休暇を取得しました。両方とも帝王切開だったため、産後2ヶ月での復職は現実的ではありませんでしたし、夜泣きや授乳など身体への負担も大きく、育休を取らないという選択肢は考えられませんでした。育休の取得について職場の理解もあり、復職の際もスムーズに業務を引き継いでいただけたので、大きな不安はありませんでした。仕事から一度離れることに不安を感じる方もいるかもしれませんが、しっかりと支えてもらえる環境がありました。

FTさん 福岡支社FTさん

私の場合は双子の女児が生まれたことで、妻の体力的負担が非常に大きく、育休を取得する必要性を強く感じました。最初の1ヶ月は出産から約1ヶ月後の年末に取得し、2回目は子どもがハイハイを始めた生後半年のタイミングで1ヶ月取りました。分割して取得できたのは、家庭の状況に応じた柔軟な対応ができたという点でも助かりました。

TTさん 事務センターTTさん

座談会

ありがとうございます。確かに、双子となると想像以上に手がかかると思いますし、2回に分けて取るというのは柔軟な運用ができている良い例ですね。では、NSさんはいかがでしょうか。

NSさん 技術1部NSさん

私は2人子どもがいるのですが、どちらの出産時にも1年間の育児休暇を取得しました。当時の社内の雰囲気としても、育休を1年間取るのが一般的で、制度の活用に対する抵抗は特にありませんでした。出産後すぐに復帰するという選択肢は考えておらず、自然な流れで育休に入りました。現在は在宅勤務や時短勤務も併用しながら働いており、育児と仕事を無理なく両立できるよう工夫しています。

TRさん 東北支店TRさん

私の場合は第一子の誕生時に3週間の育休を取得しました。妻が千葉の実家で出産することになったため、配属先の東北支店から東京支社に一時的に異動し、育児のサポートにあたりました。その後、子どもが呼吸器関係の病気で入院し、自宅療養が必要になりました。東北支店に戻った後、在宅看護の必要が生じたタイミングで改めて会社に相談し、育休を取得しました。会社側も事情を理解し、柔軟に対応してくださいました。

TTさん 事務センターTTさん

TRさんのケースは医療的な事情も絡んでいて、本当に大変だったと思います。その中で会社がしっかり対応してくれたことが伝わってきます。最後に、私自身の経験を少しお話しします。第一子のときには繁忙期を避けるため、出産の半年後に約2週間の育休を取得しました。その際には家族で沖縄旅行に行き、家族と向き合う時間をしっかり持つことができました。その後も、子どもが1歳になる直前に再度2週間弱の育休を取得しています。2回の育休を経て感じたのは、もっと長期間取得することで、さらに深く家庭に関わることができるということです。次回もし機会があれば、より長く取得したいと考えています。

育児休暇を取ってどうだった?

TTさん 事務センターTTさん

2つ目のテーマとして、育児休暇を取得して良かったこと、悪かったことについて伺います。仕事面でもプライベート面でも構いませんので、率直にお話しいただければと思います。まずはNSさんからお願いします。

NSさん 技術1部NSさん

良かった点としては、私は十数年働いてから育休を取ったこともあり、仕事から一度離れることが、リフレッシュやリセットのような感覚になりました。ありがたかったのは、当時の班長が月に1回、必ず『今、会社の状況はこうなっていますよ』と連絡をくださっていたことです。会社の様子がわかっていたおかげで、職場から取り残されたような不安もなく過ごすことができました。本当に感謝しています。悪かった点は、特に思い当たることはなく、むしろ育休を取って良かったという思いしかありません。

TTさん 事務センターTTさん

ありがとうございます。では、TRさんはいかがでしょうか?

TRさん 東北支店TRさん

私が育休を取得したのは、子どもが生後3〜4か月のころでした。その時期は成長の変化が著しく、育休を取り始めた頃と、最後に写真を撮ったときとでは、子どもの顔つきがまるで別人のように成長していました。寝返りを始めたり、大きな声で笑ったりする姿を毎日見られたのは、本当に幸せな時間でした。日々家族で散歩に出かけるなど、貴重な思い出もできました。仕事を気にせずに、家族との時間に集中できたことは、短期間でも得難い経験だったと思います。悪かった点は、私も特には感じませんでした。

TTさん 事務センターTTさん

ありがとうございます。次はYNさん、お願いします。

YNさん 企画情報室YNさん

私は2人の子どもがいて、それぞれの出産時に1年間ずつ育休を取得しました。二度の育休期間中はどちらも、毎日どこかに出かけたり、平日の空いている時間帯にいろいろな場所へ子どもと一緒に行きました。今振り返ってもとても良い時間の使い方だったと思います。1歳までを一緒に過ごせたことが本当に良かったですね。ただ、1回目のときは育休に入るときに『自分の業務を手放して復職できるのだろうか?』という不安がありました。アルバイトから10年以上同じ業務を続けていたこともあり、戻ったときにちゃんと役に立てるか心配でした。でも実際にはそんなことはなく、2回目には全く不安を感じずに、気持ちよく休みに入れました。引き継ぎもスムーズで、戻ったときも自然に馴染むことができました。

TTさん 事務センターTTさん

ありがとうございます。それではFTさん、お願いします。

FTさん 福岡支社FTさん

良かった点は、やはり子どもの成長を間近で見られたことですね。1か月という短い期間でしたが、その分集中して関わることができ、本当に貴重な経験でした。

TTさん 事務センターTTさん

では私からもお話させていただきます。やはり良かったのは、子どもの成長を実際に見ることができたことです。普段は仕事から帰宅して子どもの話を聞くことが多く、実感が湧かないこともありますが、育休中は児童館や地域のママ友と一緒に活動するなど、リアルな育児の場に参加できたのが印象的でした。平日は混雑もなく、施設も空いていて、小さい子どもにとって安心して過ごせる環境が多くありました。仕事面では、育休を機に属人化していた業務を見直すことができた点も大きな収穫でした。ただ、人数が限られた部署なので、自分が抜けた分、他のメンバーへの負担が増えてしまったことは申し訳なく感じています。最近では、育休を取得した社員の所属部署に応援金が出る制度を導入する企業もあると聞きました。そういった制度があれば、育休を取得しやすくなるのではと感じています。

YNさん 企画情報室YNさん

確かに、誰かが育休を取ると、その分誰かに頼らなければならないですし、そういう意味でも制度で支援があると助かりますね。私自身も、誰かが育休を取るときは『どうぞ、ゆっくり行ってきてください』と思えるようになりました。

育児休暇を伝えたとき、職場の反応は?

TTさん 事務センターTTさん

それでは3つ目のテーマに移ります。育児休暇を上司や同僚に伝えたときの反応や雰囲気について、お聞かせください。

TRさん 東北支店TRさん

私の部署では男性の育休取得例がほとんどなく、相談したときは『どうしたいか教えてほしい』と言われました。それでも『できるだけ希望に沿いたい』と前向きな対応をしていただき、希望どおり3週間取得することができました。職場の雰囲気も『父親として頑張って』と温かく、復帰後もスムーズに受け入れてもらえました。

NSさん 技術1部NSさん

私の場合、初の女性育休取得者だったこともあり、周囲はとても喜んでくれました。『ついにそのときが来たか』という空気で、応援ムードが強く、復帰後も安心して働けました。

FTさん 福岡支社FTさん

私の上司は育休に馴染みのない世代でしたが、『ぜひ取ってほしい』と快く受け入れてくれました。後輩たちからも『自分もそのうち取ります』と前向きな声があり、職場全体が協力的な雰囲気でした。

YNさん 企画情報室YNさん

私の場合は、子どもが12月生まれで保育園の入園が難しいことを上司が見越して、『4月まで育休を取っても大丈夫』と勧めてくださいました。実際に4か月託児所を利用し、結果的には保育園ではなく別の施設になりましたが、職場の理解があり助かりました。

TTさん 事務センターTTさん

私自身も当時は主要業務を抱えていたため長期の育休は難しかったのですが、一定期間確保できたことは大きかったと感じています。

TRさん 東北支店TRさん

他の社員の取得実績が可視化されていれば、もっと早く・もっと長く取ろうと自信を持って言えたと思います。

NSさん 技術1部NSさん

実際、繁忙期を避けるのは難しいですが、そうした状況でも安心して育休を取れる雰囲気があることが重要ですね。

子育てと両立するための働き方の工夫

TTさん 事務センターTTさん

続いて4つ目のテーマです。育児休暇以外で、子育てと仕事を両立するためにどのような工夫をしているか、皆さんに伺いたいと思います。まずは私から。私は朝早く出社して、残業せずに定時で退社するようにしています。家に帰って子どもと接する時間をつくるため、仕事の進め方を意識して調整するようになりました。

YNさん 企画情報室YNさん

私は、とにかく優先順位を明確にして、急ぎの仕事からテキパキと処理することを意識しています。2人の子どもがいるので、どちらの保育園から呼び出しがあるか分からない状況なんです。だから、今日やるべきことを確実に終わらせておくようにしています。

NSさん 技術1部NSさん

私も保育園時代はいつ休まなければならなくなるか分からない不安が常にあったので、とにかく前倒しで仕事を進めていました。今は子どもが小学生で少し余裕ができたので、在宅勤務や時短勤務を組み合わせて、子どもの帰宅時間に合わせて働き方を調整しています。

FTさん 福岡支社FTさん

私も朝早く出勤して、夕方はできるだけ残業せずに帰宅するようにしています。出張も必要に応じて控え、オンラインでの参加に切り替えてもらいました。また、妻が自営業なので、生後数ヶ月の間は、金曜だけテレワークを活用し、働き方の工夫を行っていました。

TRさん 東北支店TRさん

私はまだ業務経験が浅いため、自分で業務量の見通しを立てるのが難しいところがあります。ただ、先輩方のように、自分の業務を把握した上で働き方を調整することの大切さを感じています。今は上司とのコミュニケーションを大切にしながら、効率よく早く帰る方法を模索しています。

これから入社を考える人へ

TTさん 事務センターTTさん

最後のテーマとして、これから入社を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

NSさん 技術1部NSさん

自分のライフプランに合わせて、まずは会社に相談してみることが大切です。これまで私も何度も相談して、その都度調整していただきながら働いてきました。上司との日頃のコミュニケーションも重要で、自分がどう働きたいか、どんな生活を送りたいかを、率直に話すことが何よりだと思います。

YNさん 企画情報室YNさん

そうですね。今は“仕事100%”ではなく、自分の生活を充実させることも大切な時代です。困ったことがあれば相談できるし、制度の活用も柔軟にできる職場です。私は育児のほかに介護休暇も取得させていただきました。会社の制度だけでなく、相談に対する“人の反応”が温かいと思います。

NSさん 技術1部NSさん

私も時短勤務を小学校6年生まで延長してもらえるよう会社に相談しました。現在の社長が当時私の上司だったのですが、私の働き方にいつも耳を傾けてくださって、すぐに制度を改正してくださいました。社員の声をもとに会社の規定が変わっていくのを実感しています。

YNさん 企画情報室YNさん

NSさんが動いてくれたから変わったんですね! 小学校に入ってからのほうが大変というのも、本当にその通りです。

FTさん 福岡支社FTさん

今は仕事の内容や給与だけでなく、仕事と生活のバランスを大切にする人が増えていると感じます。私も育休を取得して、子どもの成長を身近で見られたことは貴重な経験でした。就職活動では、どんな価値観を大切にするかを軸に考えると、自分に合った会社に出会えるのではないかと思います。

TRさん 東北支店TRさん

他社のことは分かりませんが、私の『育児』という大きなテーマに対して、この会社は真剣に向き合ってくれました。柔軟な働き方ができるだけでなく、周囲の理解もあり、安心して育児と仕事を両立できています。

TTさん 事務センターTTさん

会社も社会も少しずつ変わっています。個人が声をあげることで職場環境も良くなっていく。社長も『一番に考えるべきは家族と自分自身』と言っていて、その方針は社内にも浸透しています。ぜひ一緒に、より良い働き方をつくっていきましょう。